桐たんすの優れた特徴
湿気の侵入を防止する
桐は素材の表面が粗い為、吸湿性があり、吸い込んだ素材自体は膨張して、隙間をふさぎ外気を遮断します。 乾燥時は素材が収縮し通気を良くなります。桐自体の組織の中に、チローズ構造と云うミクロの小部屋が無数にあり、これが湿度に敏感に反応して、桐の素材自体が膨張したり収縮したりして防湿効果をもたらします。
抗菌効果
桐には、パウロニン、セサミンと云う成分が含まれており、ノミ・ダニなどの虫がつきにくく、抗菌性に優れています。
腐りにくい
軽くて軟らかい桐材は、腐りやすいと考えられがちですが、実は極めて腐りにくい木材です。それは桐材に多量のタンニン(防腐剤が大きい)が含まれるからです。そのため、桐たんすは長い期間使用可能なのです。
燃えにくい
桐の木の発火点は非常に高く、425℃といわれています。更に、表面が炭化し水分を含むとほとんど燃えなくなるようです。もし火事にあっても、桐たんすが黒こげになっていても、中の着物や洋服などが無事な事が事例で多く残っています。
保湿効果
桐材は多孔質(ミクロの小部屋)の為、保温効果に優れています。
軽い
日本列島に育つあらゆる木の中で一番軽い樹木のため、持ち運びが楽です。
桐たんすの飯沢
桐の産地(製造過程)
桐の産地
上質桐材の産地は、福島県会津の山間部(会津の桐)・岩手県の山間部(南部の桐)・新潟県十日町、外国では北米カナダと中国になります。
予算に応じて材料の産地を替えることができますので、 お気軽にご相談ください。
桐たんすが出来上がるまでの工程をご紹介します。
桐たんすは高い精度で造られるので、中身を守ることができるのです。
精度を高めるには、人間が手作業で0.0数ミリ単位でかんながけをして調整します。
機械ではなく手作業による職人の技が本物の桐たんす造りには必要なのです。
木材乾燥
国産桐を風雨にさらし桐の持つアクを雨で流しながら乾燥させます。
アク抜き乾燥をすることで材のくるいや変色が少ない桐材にします。
これには数年、時間を掛けてじっくり行われ出番を待ちます。
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木取り
たんすを作るのに必要なだけの材料を使用部分別に選び、必要な寸法より少し長めに切り落とします。
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板焼き
火にあぶる、熱板で挟むなどして板のそり・ひずみを修整。
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板継ぎ
桐の木は幅が広くないので、杢目を生かせるように様に板をハギあわせ、必要な幅の部材にします。
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幅決め・切り回し
使用部分の寸法に合わせ、部材を切り落とします。
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本体加工(側立組立)
仮組み加工の後、接合部を接着し木釘を打ち込んで固定します。
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引き出しの調整
たんす側の空間より若干大きく作られた引き出しを、空間に合わせて少しづつかんなで削りながら仕込んでいきます。
引き出しの調子を左右する大切な工程です。
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全体の調整
たんす全体の調整、引き出しの調子やたんすの上下の重なりに隙やガタ付きが無いか、
まっすぐ重なり合っているか、などをかんなで調整していきます。
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仕上げ削り
全体をかんなで薄く削り、仕上げます。
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塗装
砥の粉と夜叉ぶしの実の煮出し汁を木目に沿って何回か刷毛塗りします。
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ろう磨き
自然乾燥した後、木目に沿ってろうを均一にかけ、磨きます。
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金具取り付け
桐たんすの表情は金具のデザインで大きく変わります。
ベテランの職人の手で慎重に、引き手金具、蝶番、錠前が取り付けられます。
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最後の点検
引き出しの出し入れ、戸扉の開閉、鍵などを点検いたします。
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完成
たんすの完成です。